筆者は、4人いる子どもたちの育児も終盤になってきて、肉体的にも精神的にも随分楽になりました。
その中で、発達障害と身体の障害のある末っ子次男のお話をしたいと思います。
筆者の周りに、お子さまが障害があって悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
学校生活、進級、進学、就職、結婚、福祉など、悩んでいる項目はそれぞれ違いますが、親として将来的にどうしたら良いかを考えなくてはならない時期は必ず来ます。
そこで、今回は身体障害での次男の子育てについてお話しします。
この記事で似た境遇の方へ、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
目次
身体障害のある子どもを育てる大変さ
次男は、身体障害と発達障害があります。
この記事では、身体障害の子育てでの経験をお伝えします。
今春、息子は高校3年生になり、県内の支援学校に通っています。
日常生活において、まだまだ改善点があるものの配膳や食器の片付け、洗濯など暮らしていくことにあまり困らない程度になりました。
それまでに色々な育児の道のりがありました。
その辺りをお話しします。
病院通いに終わりは無い
次男の通院は、生後4ヶ月頃から始まりました。
生後8ヶ月・10歳の頃に二分脊椎(後で説明します)で手術を2回受けているので、術後の経過のためです。
今は、10歳の術後に発覚した膀胱の異変があり、神経因性膀胱の診断がくだり、カテーテル導尿が始まってからは3ヶ月ごとに受診しています。
持病に関連してウィルス性胃腸炎・腎盂炎でよく入退院を繰り返ししての経験しているので、病院と縁が切れることはありません汗
夫も筆者もフルタイム会社勤務の共働きなので、病院に連れて行ったり、入院の準備・入院期間・退院と、日にちや時間の差し繰りがとても大変でした。
今思えば、よく乗り切ったなぁとしみじみ感じます。
現在は、通院の日にちの間隔が開き、息子が元気な身体にどんどんなってきているので、本当に楽になりました。
社会人になれば、本人を中心に行うようになるので、一緒に行く機会が減ると思います。
ただ、持病で病院に通わなくてよくなることはないので、次男が今後も障害とうまく付き合ってほしいと願うばかりです。
長男の育児に関わる時間の少なさに悩む
当時、障害のある次男に関わることが多くなったために、長男の育児がおろそかになってしまったことに猛省しています。
どうしても長男を歳が離れた娘たちにお世話を託すことが多くなり、学生時代は反抗期がかなりありました汗
親との会話を嫌がったり、正直に話さなかったり、学校生活では授業態度などが悪かったり。。。
それでも娘たちと協力しながら、色々と大変な時期がありましたが、長男が無事に高校を卒業し、社会人になり、地元の企業で頑張っているのを見てとても安心しています。
長男なりにたくさん悩んでいただろうと思います。
姉である2人の娘たちが弟の悩みをしっかり聞いて、学生時代を導いてくれたことに感謝ですね。
子育ては、万全でないことはわかってはいますが。。。
事情はあれこれ、ホントありますけどね。
でも家族で乗り越えていくと、子どもが社会に出た時に、親として余裕を持って関わっていくことが出来ます。
高校のトイレ事情で支援学校への選択肢
次男は神経因性膀胱でカテーテル導尿をする際、そして尿を前に出すのが難しいこともあり、洋式トイレが必須になります。
山口県の場合、公立高校・私立高校の洋式トイレの導入が進んでいるものの広さが充分でなく、息子の場合、導尿時間がかかると休み時間が切迫したりなど諸々の事情があって、普通高校を受験するのをやめ、支援学校に行くことを決めました。
高校生活は、のびのびと過ごして欲しいことと、高校を卒業したら社会人になることを念頭において、それなりのカリキュラムがある支援学校を選びました。
今は、楽しく学校生活を送っている姿を見て、すごく安心しています。
高校3年生なので、目下就活がメインの1年。
頑張ってほしいものです。
身体障害があることをプラスにする考え
親も次男も、身体障害に対して最低限のポイントを押さえる以外は健常者とほぼ変わらない生活をしています。
なるべく病院に頼らない身体づくりをしていくことをいつも目標にして過ごす毎日です。
それでも、次男が成長する度に考えなければいけない壁がありました。
制限が多い中での鍛錬
小学校時代は、入退院が多く、運動制限もよくありました。
その中でなんとか身体を鍛えるやり方がないだろうか。。と思っていたところに出会いがありました。
その内容は次章「7年間のリハビリトレーニングがあるから今がある」でお伝えします。
このリハビリトレーニングのおかげで、中学校では卓球部に入部してからメキメキ上達してきました。
試合に勝つようになり、3年最後の年には市内3位までになりました。
ストイックに鍛錬することはとても重要ですし、自分自身の生活にも良い影響を与えることが出来ます。
身体を鍛え、肉付きも良くなるので、息子は身体を動かすのがとても楽しいようです。
高校受験で言われた息子の言葉とは
身体障害の影響で選ぶ高校が限られてしまった時、「また乗り越えなくっちゃいけない壁があるんだね」と息子が言った言葉に、筆者は胸が詰まる思いをしました。
複雑な思いがあったようです。
親しい同級生は、普通高校へ進学したので、それも寂しかったみたいで。。。
今は時々通学途中で、中学校時代の同級生に出会って話をしたり、在学している支援学校の友達と外出したりしているので、それはそれで次男はたくさんの壁を乗り越えてきているのだろうと思います。
身体障害だからこそ未来に向けてどうしたいか
先程お伝えした通り、次男は高校3年生になり就活中でして、現場実習をどんどんやっていくようになります。
そこで、身障者である次男が社会に出ていくためにはどんな前進があるのかをお伝えしていきます。
7年間のリハビリトレーニングがあるから今がある
次男は脊髄脂肪腫という身体障害があります。
脊髄脂肪腫は潜在性二分脊椎を代表する先天異常(奇形)である.皮膚外胚葉と神経外胚葉の分離障害により発生し、 皮下と連続した脂肪組織が脊椎管内に侵入する.腰仙部に好発する.脂肪腫そのものによる脊髄圧迫及び神経組織牽引(脊髄係留)により、 膀胱直腸障害(排尿・排便障害)および下肢障害(運動障害・感覚障害・関節変形)等の症状が出現する。
小児慢性特定疾患情報センター「脊髄脂肪腫」より引用
脊髄脂肪腫は軟膜下脂肪腫、脊髄円錐部脂肪腫、脊髄終糸脂肪腫に分類される.脊髄円錐部脂肪腫は画像所見をもとにさらに分類され、 脊髄脂肪髄膜瘤も含まれる.一般に、脊髄脂肪腫としては脊髄円錐部脂肪腫及び脊髄終糸脂肪腫を指す(図1,2).
(国内で脊髄脂肪腫は通常spinal lipomaと英訳され、lipomyelomenigoceleは脂肪髄膜瘤として上述した通り、脊髄脂肪腫の亜型を指す. しかし、海外の文献では脊髄脂肪腫としてlipomyelomeningocele, lipomeingoceleが使用されることもある.)
10kg以上の重たいものは持てませんし、長時間の腰をかがめる姿勢や腰を重点に使う運動(野球など)はドクターストップがかかっています。
3年前に当時のトレーニングを終了していますが、フリーのかかりつけの理学療法士の方に出会って個別のプライベートトレーニングを受けてから次男の持病での生活負担がずいぶん減りました。
その方々に出会うまではまともに椅子に座ることが出来なかった次男がこのトレーニングで椅子や地べたに座ることが楽にでき勉強に集中することが出来るようになりました。
当時、次男の「かかりつけ理学療法士」である末冨克弥さんのトレーニングルームへ通っていました。
末冨克弥さんのトレーニングルーム「Image」
「かかりつけ理学療法士」としてご活躍されている末冨さんに次男の持病への予防リハビリを受けて本当によかったとつくづく感じています。
素晴らしいご縁である「かかりつけ理学療法士」の方に受けるようになった経緯をお伝えしたいと思います。
実は次男は持病の手術を受けてのちの2歳から某小児医療センターでリハビリトレーニングは受けているのです。
5年間、就学時前の6歳まで、病院が提示しているリハビリプログラムに沿って理学療法士・言語聴覚士・作業療法士の方々が代わる代わる次男に運動を教えてくれていました。
プログラム内容が次男にとっては結構体の負担が大きく次男の持病から来る生活での身体負担は治まりませんでした。結局6歳で小学校に上がるのでほぼ成果は見られないままそのプログラムは終了することに至りました。
次男が10歳の頃、持病での手術を受けて排尿機能の心配があってから次男の生活での身体負担が気になっていた頃に以前ラジオのパーソナリティの仕事をしていた時ゲスト出演をしていた方に出会い、末冨さんにお会いすることが出来ました。
病院でのリハビリには限界があり個人の病状に合わせてはとても無理なこと。
これが個別でプライベートトレーニングだと持病を持っている次男でも体の負担が減り、生活での体の負担も減ったことが大きな成果だと感じています。
私が末冨さんにお願いした大きな理由は、
『次男の持病に即し次男の持病を理解した上で、次男が将来病院漬けにならないようになるトレーニングプログラム』だったからです。
これが今の次男の身体づくりの鍛錬に繋がっています。
今では息子が通う支援学校で、陸上部に入部し、山口県障害者の陸上大会に都度参加し、団体リレーでは上位の結果を出しました。
あの7年間のトレーニングがなければ、絶対成し得ない結果だと思います。
障害のレベルに合わせたメニューでの鍛え方が必要であり、本人のやる気とストイックさは必須かもしれませんね。
7年間の経験は、次男に大きな身体財産になっています。
日常的に5km以上の散歩を日課にしている
次男は、学校が休みの日は必ず散歩に出かけています。
だいたい5km以上20kmくらい、黙々と歩いているようです。
隣市まで行っているみたいで、街ならびなどを散策するのが楽しいらしいです。
おかげさまで、風邪を引かなくなりましたね。
本当に身丈夫になりました^_^
よほどひどくない限り、雨の日や雪の日でも長距離散歩を実践しています。
こうしたルーティンは、筆者は見習わなければなりませんが汗
ちなみに、、、
小学校時代、自転車に乗ることは持病上ドクターストップがかかっていたせいか、いまだに自転車に乗れません。。。
何回か練習しましたが、苦手のようで、リハビリトレーニングみたいにやる気が出ないらしいです。
やる気が出ないのを無理に勧めてもムダなので、親としてはもう静観しています。
まとめ|次男は身体障害の持病と上手く付き合って生活を楽しめる努力をする
身体障害を持つ子どもの子育ては、正直楽ではありません。
家族一丸となって支えていくことも重要です。
成長していく段階で、一つ一つの課題があり、その都度乗り越えていく努力も大事ですよね。
親として、今の次男の姿を見て思うのは、「将来、親が関わらなくても生きていける子に育てること」を目標にしていたから良かったと思っています。
次男の将来は、まだまだこれから^ ^
乗り越える壁もまだまだこれから^_^
本人は、持病を理解して生活していることが普通になってきているので、やりたいことを目指して今頑張っています。
この記事で似た境遇の方へ、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。