2024年春、4人姉弟の末っ子である次男は地元の特別支援学校高等部を卒業しました。
30年近い子育て生活にやっと区切りができ、夫も筆者も自分たちの生活について考える余裕が出てきました。
上3人は社会人になり、次男はすぐ働く道に行かず就労移行支援施設に通うことを選び、日々様々な社会経験を積んでいるところです。
次男の社会人としてのその後についてお話しします。
目次
就労支援移行施設に決めるまで
支援学校高等部在籍中からさまざまな進路の選択肢に悩んでいました。
❶オンラインでの通信制大学や専門学校で学ぶ
❷就労移行支援施設に通う
❸就職する(障害者枠での正規雇用またはアルバイト) など
夫・上3人の子どもたちと話し合った結果、就労移行支援施設に通うことに決めて、現在はその施設に通って社会経験を積んでいるところです。
通信制での大学や専門学校に行かない選択をした理由
次男はパソコン能力に長けているので、そういう方面での通信制の学校を探したことがありますし、お隣 広島県にある障害者職業訓練の学校にも問い合わせしたことがあります。
2023年11月に知能検査を受けて長年療育手帳を所持していましたが、平均基準値IQ80を超えたのでその手帳を市に返還することになり、発達障害はありながら受験できるチャンスが出来ました。
とはいえ、知能検査結果が開示されたのが12月に入った頃で、受験勉強など考えると取りかかる時期がすでに遅くなってしまったのが学校進学にしなかった理由です。
就労移行支援施設に通うことでのメリット
発達障害・内部障害でも通信制であれば受験できる機会を選ばず、就労移行支援施設にしたのは「社会性を身につけるため」であり、「本人が希望する将来は何かを決めるため」でもあったからです。
漠然とした将来ではなく、次男の性格や障害を活かした将来を見つけるためが大きなメリットを感じたのです。
健常者である私たちでも、自分の性格にそぐわない仕事や環境などはやる気が出ないですし、長く働こうと思わないですよね。
転職したりするのもそういう理由が何らかしかあり、自分に合った仕事を見つけて新しい環境に入っていくのではないでしょうか。
次男のように発達障害があり身体障害があれば尚更就活ハードルが高いので、就職するための色々な経験を積み重ねていった方がかえって近道かもしれないと思って選んだ進路です。
就労移行支援施設での活動内容
支援学校高等部を卒業して3月中旬から通い始めた就労移行支援施設ですが、次男の活動ぶりは先日親子面談で主任職員の方からお話を聞くことができました。
施設での親子面談は年2回、春と秋に実施されます。
ふだんの活動内容、活動の目的、次男の良かった点・身につけなければならない点など多くの視点からお話をお聞きし、親として息子の家庭での様子や考えなどをお伝えしています。
屋外・屋内の両方の仕事をバランスよくスケジュールを立てられている
グループごとに割り当てられ事務所内の仕事だけでなく屋外の仕事もあり、作業服に着替えて行なっていて、夕方までしっかり行動しているようです。
隔週土曜・日曜・祝日が休みで、23日平均で出勤(通所)していますから、結構日中施設で活動していることになります。
屋外では、市・企業からの依頼で清掃活動をしたり、個人宅では庭に手入れなどを手伝ったりしています。
事務所内では、パソコンでの事務作業をしたり、裁縫したり、昼食時間になると配膳したりなどスケジュールが組まれています。
次男は、朝施設に着くと元気よくあいさつをして施設職員からその日のスケジュールを伝達され、グループごとに楽しく活動しているみたいですね。
お給料という名の工賃をいただくことがある
就労移行支援施設では基本賃金は発生しないのですが、依頼者の仕事内容や訓練内容によって工賃が支給されることがあります。
いずれ一般企業に就職しお給料が支給された時、金銭管理が必要になってくる観点からだそうです。
次男は初めて3月の工賃が支給されてとても喜んでいて、筆者に現金が入っている袋ごと渡してくれました。
施設に通うようになってから昼食はそこの仕出しのお弁当を注文しているので、工賃から天引きするようになっています。
支給された工賃から金銭管理を養っていく
総支給額と支給明細内容、控除内容(息子の場合は昼食のお弁当代)が明記している工賃明細書を、次男と一緒に見ながら筆者が説明をして支給されたお金をどうするかを話し合いました。
すると次男はすぐ「貯金しておいてほしい」と言ったので、翌日に次男名義の銀行口座に入金して記帳内容を見せると「よっし!しっかり貯めていくぞー!」と嬉しい表情でした。
次男にはB6サイズのお小遣いノートを2024年のお正月にもらったお年玉から記入していくように渡していて、今は筆者が都度ノートの確認とお小遣いの額を確認しています。
筆者も当座の収支帳を日々付けていて、現金や通帳口座の額を把握しているので、次男にも都度説明をし実践させているところです。
ちなみに次男のお小遣い帳として渡しているノートはB6サイズにしていて、無駄遣いをしないために記入する必要性を伝えてますね。
現金だと手元のお金が減っていくことが実感できるので、親としてこの機会にしっかり教えていかなければならないと思っています。
働くことは「生きること」
生活する上で「お金」は大事で、お金を得るためには「働くこと」が必要で、働くためには就きたい企業に採用してもらわなければなりません。
働くことは「生きること」
次男は障害があり一生付きまとうけど、それでも生きていかなければならない現実があります。
生きていくためには、親に頼らず己を信じて「働くこと」で自立していくことなんですよね。
今やっと一歩を踏み出したばかりなので、日々の活動を楽しみながら邁進していってほしいなと親として願っています。
次男がどんな成長をしていくのか、ゆったりした気持ちで見守っていこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。