筆者の終活の一つに、「古い家の処分」があります。
かつて筆者が育った亡祖父母の家が、管理を託した人に管理されず荒廃し、ご近所トラブルの種になってしまったことがとても残念な思いがありました。
これは筆者自身が「元気なうちになんとかしなくては!」という思いのもと、行動を起こすことにしたのです。
この記事は、相続人でないにも関わらず、家の処分に向けて奮闘した ある意味終活の一環でもある忘備録です。
目次
誰も住みてのない家をどうするかを考える
かつて住んでいた家を誰も住まなくなったら、売却するか管理していくのかを決める必要があります。
特に管理する選択をしたら、特に戸建住宅の場合は誰もがいつでも住める状態にしておくことが大事で、そこに手を抜くとすぐ家は傷んでくるからです。
また、家の処分する選択をし、売却するために不動産会社など依頼をしてすぐ売れたらラッキーなのですが、そんなに簡単にいかないことの方が実際多いです。
売却対象の家は、どのくらいの査定がつき、どのくらいの売値が妥当なのか等、売主にとって不安なことはたくさんあります。
でも「この家を処分しよう!」と決めることが出来ただけでも、すごくラッキーなのです。
昨年(2023年)に夫の実家を売却した経験をお伝えした記事がありますので、よかったらお読み下さい。
関連記事:❶夫の実家の後しまつ①〜住まい終活
❷夫の実家の後しまつ②〜住まい終活
古い家の処分には、たくさんのハードルをクリアしていかなければならないことがありますので、筆者の体験談が参考になれば幸いです。
相続の名義変更に至るまでが超ハードルが高い
筆者は複雑な生い立ちがあり、幼少期から祖父母に預けられて育ちました。
育て親の祖父が2000年に亡くなり、2014年に祖母が亡くなると、祖父母の家は誰も住まなくなってしまいました。
特に祖母は祖父が亡くなって2年後には高齢者施設に入所したので、厳密に言いますと2002年からほぼ誰も住んでいない状態になっていたことになります。
当時、母と再婚相手の継父は「管理する」と言っていたのですが、実はそこから放置されて荒廃していく家を処分するようになるまで20年以上かかることになります。
管理ができない筆者の母と継父
筆者の母と継父は、祖父が亡くなり、祖母が施設に入ってから2年くらいは家の中を掃除機をかけたり、祖父の趣味が詰まった庭木や盆栽の手入れをしていましたが、整理整頓や庭木の手入れが苦手な2人はすぐ根をあげて家の管理をしなくなってしまいました。
実は誰も住まない家を個人的に管理するのは結構根気がいることで、窓を開けて風に入れ替えをしたり、室内を掃除したり庭木の手入れをしたりなど、定期的に行うことが必要になってきます。
それが苦手な方は、お金はかかりますが不動産会社などに管理を任せた方が楽です。(ただし、どこまでやってもらうかによりますし、費用次第にはなりますが。。。)
さて管理を怠るとどうなるかと言いますと、一番わかるのが「庭」です。
家の周りにどんどん草が生え、庭木を植えていたら伸び放題になってしまい、放置日数が多ければ多いほど個人では手がつけられない状態になります。
実際ここ数年、隣家に草木がかかり、野良猫がはびこり、何度か空き巣に入られてしまい、ご近所様からクレームの嵐です汗
亡祖父母の相続人で近所に住んでいる母がクレーム対処しなければならないのですが相手に文句や暴言など問題を起こすので、結果的にはその娘である筆者にクレームが民生委員さんや警察署から連絡があるので対応しています。
管理が出来ないということは整理整頓が苦手なことが多いので、実際母も継父も当てはまり、どんどん放置されてしまうというプロセスをたどっていきました。
相続登記の変更の話から遺産相続トラブルに発展
あまりにもご近所トラブルが多いので、筆者は放置している亡祖父母の家の処分を不動産会社に相談し登記書類を取り寄せてもらいました。
所有者は亡祖父のままで名義を変更していなかったのです。
亡祖父母の家の固定資産税を支払っているのは母だったので、所有者の名義を変更したら家の処分もスムーズに出来ると考えた筆者は母に進言しました。
これ以上放置していくとご近所様のクレーム増になるし、売却も難しくなっていくからです。
すると、答えはノーでした。
実は母には弟である筆者の叔父と亡祖父母の遺産相続でもめて「争族」になっており、家の所有者名義変更するにあたり遺産相続にも関係し、母はお金のことを探られたくないこともあって所有者変更に大反対したのです。
家の所有者の名義変更には相続人の同意が必要になります。
亡祖父母の家の場合だと相続人は母と叔父の2人で、どちらが名義人になるかを決め、この2人の同意が必要です。
またどちらかが名義人になれば、どちらかが相続放棄をし売却などで金銭が発生したらどうするかを含めての放棄をするかなどを決めておかなければなりません。
母と叔父は犬猿の仲なので、そういった手続きなどを進めていくのは必然的に相続人でない筆者が橋渡しをしなければならない立場になります。
これはとてつもなく高いハードルになり、20年以上の月日が経ってしまうことになります。
根気強く家の処分を話すことが大事
筆者は相続人ではないのでこういったことは今は関わらなくてもいいのですが、亡祖父母の家を母と叔父がやらなければ、いずれ母の娘である筆者と叔父の子供に回ってきます。
実際の遺産に関しての相続放棄をすればいいのでしょうが、まるっと解決できない部分もあります。
となれば、今母と叔父が生きている間に、さらに言えば認知症などが発症していない間に、やっておかなければならない重要なことではあるのです。
だから筆者は、ことあるごとに家の処分について根気よく話していくことが必要だと考え、20年以上説得していくことになりました。
母にとっては筆者は複雑な生い立ちで厄介者の存在であるので、家の処分についての説得もウザくて仕方がなく、暴言も相当吐かれましたがお構いなく説得していきました。
今回の話はこれまでで、次回そういった状態から相続登記の所有者名義変更をしていくに至った経緯をお話しします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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